正確にはラノベではないですが、カテゴリを分けるのも微妙なのでこれで。
アニメが現在放送中のミステリーホラー、Anotherの原作版です。アニメの方は全く見てないのですが、どうも表紙を餌に釣られてしまい、若干悔しいような気分です。でも後悔は全くしなかった。下巻も買ってるのでこれから読むのが楽しみなところ。
この表紙ではない、角川文庫版の方を頻繁に書店で見かけますが、あのイラストではあまり買う気になれないのは俺だけでは無いはず。ホラーっぽさはあれど、なんかこう不気味さも伴ってしまっているので、内容から考えてもどうかなと思うんですよ。なんというか、もっと色味が強くて、艶やかさのある作品だと思うので。そういう意味ではこっちの、のいぢ表紙がぴったりでしょう。って言っても表紙とカラーページがあるだけで挿絵はありませんがね。
この作品の一番の見所はなんといっても見崎鳴(みさきめい)というヒロインの美少女。これに尽きる。巷ではかなり話題になっているキャラのようですが、ミステリーホラーという作品のタイプから察するに、人気キャラというのは、にわかには信じ難いと思っていました。
ですが、鳴はAnotherという作品の謎を一手に引き受けている存在で、物語の一番の要ということもあってか、様々な魅力に溢れていると思います。
どの辺りが魅力的かというと、まずは左眼に眼帯をしているところ。何度も鳴が自らの眼帯に触れており、小道具としての役割を果たしてます。序盤は存在が希薄で儚げな印象だったのですが、自宅がアンティークドールの店だとわかるあたりから、より神秘的な印象になりました。さらには、恒一の前から突然消えたかのような表現がいくつかあり、まるで人外の何かかと思わせるほどのミステリアスっぷり。
眼帯の下には蒼い目の義眼という容貌も相まって、ファンタジー世界のキャラクターのようです。落ち着いた雰囲気で話すシーンが多く、若干大人びたようなイメージもあります。
安易な言い方をすればクーデレとでも言えばいいんだろか。(デレっぽいのはほぼない)もちろんクールっぽくもあるのだが、それよりも深まってゆく謎の中心にいる彼女の存在に、読中気になって仕方がなかった。とても惹きつけられるつくりになっています。序盤のそっけない態度とは逆に、後半は笑顔を浮かべたりするなど、そのギャップからとても可愛らしさを感じます。
ラノベのことをキャラクター小説と呼ぶ向きもあるが、そういったキャラクター性が、物語の中心にあるという意味ではこれもラノベかもしれない。
あまり言いたくは無いですが、綾波レイを彷彿とさせるというか、眼帯で儚げなイメージってのであの赤い瞳を思い浮かべてました。鳴は右目だけは黒ですけども。
まあ、ともかく鳴の謎も晴れたので今度は下巻に行きたいと思います。